3号着建造計画 第5次中間報告(その2)

作業内容 備 考
’00.07.26
 組み立てた石膏雌型の継ぎ目を引き続き油粘土で埋めていきます。
 油粘土での凸凹埋め、継ぎ目の隙間埋めが終わったので、サーフェイサーを吹き付けます。
 実作業時間1.0h

 石膏雌型にFRPを積層していきますが、私の場合、下準備として、石膏面にサーフェイサー吹き、液体ゴム塗りをして、その上にFRP離型材を塗ります。
’00.07.27
 昨日サーフェイサーを吹き付けた上に液体ゴムを塗りつけます。実作業時間0.5h。

 液体ゴムBE−2 960円
 東急ハンズやホームセンターにも売っています。合成樹脂ゴム塗料で、水溶性ですが、一旦乾燥すると水には溶けません。画像は黄色ですが、様々な色があります。
 そのままハケで塗ると塗ったハケ目が段になるので、少し水に薄めて塗ります。

 石膏雌型からFRPを剥ぎ取るためにはFRP離型材を石膏面に塗りますが、直接石膏に離型材を塗っても、石膏に染み込んでしまいます。これを防ぐためサーフェイサーを吹き付けます。
 ただし、これだけでは未だ不十分なため、私はサーフェイサーを吹いた上に、この液体ゴムを塗ります。これによって離型材が石膏に染み込むことを完全に防止します。また、液体ゴム自身が弾力を持っているため、石膏剥離の際のクッション代わりにもなり、サーフェイサーで埋めきれなかった凸凹をならしてくれる役目も果たします。

 もし、液体ゴムが手に入らなかったときは、相当サーフェイサーを吹き付けまくって、離型材も何層も塗り重ねれば、なんとかなります。
 
’00.07.28
 昨日の液体ゴム乾燥後、念のためもう1回重ね塗り。乾燥後、FRP離型材を塗ります。何回塗るかは個人の好みに寄ると思いますが、1回だけではどうもムラが出来やすいので、私は2回塗っています。明日もう1回離型材を塗ります。
 この日の実作業時間0.5h+0.5h

 

 画像ではFRP離型材の流れた痕が見えますが、触った感じ、段差は特に出来ていないので良しとしました。
 でも、見た目ブサイクですよね。もうちょっときれいにできないものでしょうかねぇ・・・・
 FRP離型材(PVA) 750円
’00.07.29
 午前中、2回目のFRP離型材塗り。乾燥した午後からFRP積層作業に入りました。この日はターヤさんが立会人(?)として訪問。

 





この日の実作業時間0.5h+2.5h
 この日は気温が高いせいもあって、すぐに固まってしまいます。ダマになったり、気泡を大量に取り込んでしまったり、ちょっと失敗気味でした・・・・

 

 左は材料と必要機材群。
 積層用リゴラック(500g) 1050円
 硬化剤 ?円(記録ナシ)
 ガラス繊維布    550円
 
 リゴラックに対して硬化剤を重量比で2.5%前後混合しますので、重量はかり、スポイトが必要です。
 ホームクッキング用の重量はかりを使っていますけど、もう少し目盛りの細かいのが欲しかったですね。
 重量比を1%間違えても固まらなかったり、火を吹いたりしますから・・・・
 他にカップ、攪拌棒、手袋(直接薬液に触れないため)等がもちろん必要です。

 それぞれの薬剤には細心の注意が必要です。
 リゴラックも硬化剤も有害物質ですから、こられを取り扱うときは換気をよくしましょう。また、硬化剤はショックを与えると発火する危険もあります。ガラス繊維布は切断の際、破片等をまき散らさないようにして下さいね。

 リゴラック100gに硬化剤2.5gを混ぜたものを石膏雌型に投下しました。この後、石膏雌型をローリングさせて、石膏雌型面にまんべんなくFRPを塗りつけていきます。以前はハケを使って塗っていきましたが、そうすると気泡が混じりやすくなり、FRP硬化後のヤスリかけ・パテ埋め作業が大変になるので、ローリングさせる方法に切り替えました。

 リゴラックに対して硬化剤をどれくらい混ぜたらよいか?これが非常に難しいです。重量比で2.5%が目安と言われますが、その日の気温、湿度によって反応が全然違ってきます。
 多すぎると、反応が加速度的に進み火を吹きます(マジです)。私は火は吹かなかったけど、煙を吹き出させてしまったことがあります。万一、火を吹いたときでも周りのものを燃やしたりしないように、燃えない受け皿等準備しておきましょう。
 逆に少ないと固まらず、ただ臭いだけのブヨブヨした物体が出来るだけ、になってしまいます。また、あまりに寒い日は反応がなかなか進まないこともあります(気温0度くらいで積層して、2時間くらい固まらずに苦労したこともありました)。

 この日はかなり暑かったので、硬化剤2.5gは多すぎたようです。最後、急速に反応が進みダマが出来てしまいました。その後は重量比2%、1.5%と減らしましたが、最初の積層で石膏自体が暖まってしまい、硬化剤をかなり減らしても急激に反応が進んでしまいました。

 FRP1層目を塗り、硬化した後、次の重ね塗りをする前にFRPを強化するためのガラス繊維布を敷き詰めていきます(3番目の写真白いもの)。反応し終わった直後は、まだ表面に多少べたつき感があるので、ガラス繊維布をペタペタ張り付けていけます。この上に再びFRPを流していきます。

 今回は3層塗りし、FRPを350g程、ガラス繊維布1/2枚使いました。

 最後、固まるに従って徐々に濃い茶色に変色していきます。
 気温によって異なりますが、夏なら一晩、冬なら2日くらいでほぼ固まるようです。
 この間もFRP固有の異臭がしますので、戸外に置いておいた方がよいでしょう(有毒なはずですから)。
’00.07.30
 石膏雌型からの脱型に入ります。
 縁の部分から石膏と液体ゴムの間にカッターナイフを差し入れ切り離します。更にバターナイフを慎重に差し込み、雌型からFRPを浮き上がらせます。1方向だけですと1カ所のみに石膏に力が入るので割れやすくなるので、あちこちに差し込んで徐々に浮き上がらせ剥がしていきます。

 今回はちょっと失敗。頭頂部は損傷無く外せたんですが、左右側面は各1カ所ずつ、正面は6片に割れてしまいました。画面にはカナヅチも写ってますが、今回は使用してません。


 バターナイフは平たくて、先が尖っておらず、丈夫なため、こじ開けるときに便利です。

 今回石膏雌型が割れてしまった原因は、
・側面各1カ所の割れ
 わずかにオーバーハングになっていて引っかかっていた。
・正面分の割れ
 破断面を見ると1mm程度しか厚さが無く、石膏が薄すぎた。
以上によります。
 ま、石膏雌型を使い回ししない限り、割れてしまってもそんなに問題ではないでしょうけど、なんとなく失敗したなぁって気になってしまいますね(^^;)
 プロの方は量産用に石膏雌型ではなくて、シリコンゴムで取って使い回しが出来るようにしてるみたいです。

 ここでまた、石膏雌型からFRPを抜くときがなかなか抜けなくて苦労する場合があります。
 原因の一つは、FRP離型材が石膏に染み込んでしまい、役に立たず、石膏にまでFRPが染み込んで硬化してしまった場合。このときは意を決してカッターナイフ、ニッパー、カナヅチ等持てる工具を動員して石膏をうち砕いて行くしかありません。FRP面が傷つきますが・・・・
 先に紹介してきたサーフェイサー/液体ゴム/離型材の積層構造の場合、上記のような染み込みはありませんが、それでも、FRPが石膏雌型に対してぴったり張り付いてしまって抜けない場合があります。このときは石膏雌型の方から電気ストーブ等で加熱してやります。
 粘度原型から石膏型片を抜く場合は蒸気圧を利用しましたが、今回の加熱は石膏とFRPの熱膨張率の違いを利用したものです。石膏はほとんど膨張しませんが、FRPは比較的膨張しますので、ぴったり張り付いていても、剥がれてくる、という寸法です。こうするとかなり楽に石膏を剥がすことが出来ます。
 ちなみに今回は正面を剥がす際に何度か割れてしまったので、最後の手段で加熱しましたが、これによって割れずにすぽっと剥がすことが出来ました(正面の一番大きな破片)

 画面上図の左の抜いたFRP面は白くなっていますが、これは液体ゴム表面にサーフェイサーの色が移ったものです。これ、フェイシャルパックのようにぺろんと剥がすことができます。剥がしたものが下図です。
 これ以降、FRP面のヤスリかけ、パテ盛り作業に入ります。
 このペースで行くと8月中には面完成かな。


 あ、8月はコミケとワンフェスがある。来月ほとんど作業できないかも!(汗)

 以上、第5次中間報告その2(7月下半期の後半)終。
 
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